長男が私たちのもとを去って他のお宅の子になって1日。
生まれてからこの日が来ることはわかっていたので
どこか切ない気持ちでずっと子育てしてきたことを今、再認識しています。
アリスのおなかに命が宿る数年前からお産を悩んで悩んで、
毎日そばに寄り添って自分のことよりも大切に育ててきても
一瞬でママはかわってしまうものなんだと、
わかっていたことですがタカ夫と私は大きな喪失感に襲われています。
でもきっとこの気持ちは時間が解決してくれるはずです・・。
今日は以前、落ち着いたらどこかで書きますとお話ししていた、
アリスベビー誕生の日のことを。
文字数が多く、これは我が家のアリス出産の大切な記録のお話なので
ご興味がある方はお読みください。
アリスベビー新生児の写真は綺麗な状態ばかりなのでご心配なく。

動物は夜中のお産が多いと聞いていたので、
前日夜から寝ずにスタンバイしていた私たち。
カノンとアンジュもいるので、私の母にもお手伝いに来てもらっていました。

しかし夜中~翌朝までなんの兆候もなく時が過ぎていき・・。
午前9時。この日に出産してくれたらうれしいなという日に陣痛がきてくれたアリス。

それから1時間半後。
2017年6月24日(土) 午前10時38分。長男誕生。
羊膜に包まれて頭から出てきた後、アリスは2~3度いきみましたが
するりんと出てくる感じがなく、アリスの呼吸に合わせて優しく私が取り上げました。
綺麗に洗濯して保管しておいたタオルに長男を包み、
アリスになめてもらいながら羊膜を破って呼吸を促す。
呼吸が確認できたらアリスが見ているそばでへその緒を結んで切って綺麗に処理。
その後アリスにまた顔や身体をなめさせて安心させました。

そして新しいタオルで優しく身体を拭き上げて体重をはかります。
212g、頭が大きくしっかりした身体つきの男の子です。

足もしっかりした、おっとりした男の子です。

そしてまたアリスに戻し、母親の本能で綺麗になめてくれました。

そのおよそ2時間後、12時32分に次男誕生。
長男と同じように、頭が出た状態で2~3度いきんでも全身が出てこなかったため
ゆっくり静かに取り上げる。
へその緒の処理や身体を綺麗に拭き、長男と同じことを繰り返します。
体重は200gジャスト。

バタバタと手足を動かす元気な男の子です。

次男が生まれそうになる前に、長男は保育バスケットで保温しながら別にしておきました。
それからそわそわ何だか苦しそうにしていたアリス。
次男誕生から2時間弱ぐらいだったか・・・
三男の後ろ足が羊膜に包まれていない状態で先っぽだけ見えています。
すぐに3姉妹かかりつけの病院に電話をして指示をあおぎました。
一刻を争うので優しく、でも早く引っ張り出してと。
私の手の小指の爪ほどしかない後ろ足を、
アリスを励ましながらなんとか少しずつ取り出して、やっと外に出てきた三男。
ぐったりしていて呼吸がありません。
口に詰まっているであろう羊水を、私が吸って出します。
優しくタオルに包んでさすっても、心臓マッサージをしても、
首を固定して優しく身体を振り下ろしても・・・
三男は一度も呼吸することなく天使になりました。
私は、なんということをしてしまったんだ、
授かりものとはいうものの、命を生み出そうとしてしまったから
アリスにも三男にもそしてタカ夫にもこんなに辛い思いをさせてしまった。
ごめん、アリス、ごめん、三男、ごめん、タカ夫、私のせいで・・・!
アリスのおなかの中にはあと1頭ベビーがいます。
そして生まれたばかりの長男と次男もいます。
私がこの場を離れるわけにはいきませんでした。
もう戻ってこないとわかっていても、
念のためタカ夫に三男を動物病院に連れていってもらいました。
病院に到着したタカ夫から電話がかかってきてやっぱりだめで。
先生にも代わってお話しして。
あと1頭を帝王切開するかどうか。
私はもう少しアリスの様子を見て、三男の時と同じような雰囲気だったら
すぐに病院に連れていくので、そのとき帝王切開してくださいと言いました。
先生もその意見に賛成してくださいました。
できるだけ自然分娩にした方が、アリスの身体にとって良いと。
その後すぐに白い箱に入れてもらった三男と一緒にタカ夫が帰宅。
それと同時にアリスの陣痛がふたたび始まりました。
また三男の時と同じ、羊膜に包まれていない後ろ脚の先が出ている!
先ほどとまったく同じ状況です。
ただ三男の時はいきむことをあまりできなかったアリスは
今回はがんばっていきもうとしています。
同じようにその小さな足先を持って、優しく優しく少しずつ引っ張り出しました。

15時55分、四男誕生。
羊膜が破かれた状態&後ろ足から生まれてきましたが
キューとすぐに呼吸をしてくれました。
体重は長男とまったく一緒の212g。

誕生のときは心配した四男ですが、とても元気な男の子です。

アリス妊娠時の最初のレントゲン検査の時、5頭と言われ
2回目のレントゲン検査で4頭と判明した経緯があったので
心のどこかに”もしかしたら5頭いるかもしれない”と思う気持ちがありました。
そうなると、4頭生まれて安心していられない、
もしアリスのおなかの中にあと1頭残っていたら、その子はもちろん
アリスの身も危険だと恐れていました。
しかし、四男の身体が全部外に出た瞬間、
アリスの顔が”ぱぁぁ”っとこの上ない笑顔で輝いて
終わったー!と、そんな表情をしたのです。
その顔を見て私は、
あぁ4頭なんだ、もうおなかの中には完全に赤ちゃんはいないんだと確信しました。
それほど他の3頭を生みとした後と、明らかにアリスの表情が違ったのです。
先生に四男が無事に生まれたと連絡をして、アリスの身体やお産箱も綺麗にして
アリス初めての出産が終わりました。
第一子の長男が生まれてから第四子の四男が生まれるまで
およそ5時間ちょっと。
みんな一体になって乗り越えた出産でした。

出産当日の夕方16時30分。
長男は生まれてから6時間経っていますが、最後の四男は生後30分の時の写真。
毛がぴかぴか輝いていて美しいです。

それぞれ生まれてから初乳を吸いましたが、
3頭そろっては初のミルクタイム記念ショット。
最初から3頭ともにきちんとアリスのお乳を吸えて一安心でした。

アリス、大きなことをやり遂げて充実した表情をしています。
二人三脚で乗り越えた私たちも感無量。

アリス、がんばってくれてありがとう。
無事でいてくれてありがとう。
大切な赤ちゃんを生んでくれてありがとう。

アリスのおなかの中で大切に育んできた4頭のベビーたちですが
元気に生まれてきてくれたのは3頭でした。
ひと足もふた足もはやく天使になった三男の分まで元気に育ってほしい。
きっと三男がアリスと四男のことを守ってくれたんだよね。

天使になった三男はいつも私たち家族と一緒にいます。
朝と夜の2回はお線香をあげて、話しかけています。
三男は203gの立派で綺麗な男の子でした。
生まれてからと送り出すときに写真を撮りましたが、
それは私たち家族だけの心にしまっておきます。

カノンもアンジュもアリス出産のときは少し距離をおいて
静かに見守ってくれていました。
どうもありがとう。私の家族みんなで乗り越えた出産です。

アリスのお産を経験して私が感じたことは、
セオリーなど決してないこと、当たり前ですがその子その子でみんな違うということです。
陣痛・出産も、多いと言われていた夜中や明け方ではありませんでした。
ふつうに朝9時に陣痛が始まって、午前中から夕方にかけての出産でした。
おかげで私たちは前日からしなくてもよかった徹夜明けのお産立ち会いでした 笑
ベビーたちが生まれてここまで3ヵ月、
毎日ぐんぐん成長していくベビーたちと
いつも寄り添ってくれている3姉妹のお世話で1日があっという間に過ぎていきました。
今年の初夏から夏は大変濃く充実した忘れられない日々でした。
そしてベビーたちの命を守ろうと、口から吸ったアリスの羊水のしょっぱい味は
きっと一生忘れられません。
命が宿るということ、この世に生を受けるということ、
無事に生まれてきてくれること、そして元気に成長してくれること。
すべてが決して当たり前でありふれたことではなく、
奇跡といっていいほどの尊いことでした。
私はアリスとアリスベビーたちに教えてもらいました。
心ない人間のもとに尊い命たちは生まれてきませんように。
大切に思い育ててくれる人間のもとだけに尊い命が授かりますように。
生まれてくる命、生まれてきた命すべてが幸せでありますように。
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